はじめに
英語のレベルアップを図る上で「関係代名詞の使い分け」は重要なポイントです。
特に「that」と「which」の使い分けは学習者が混乱しやすいテーマ。
どちらも「~という」「~ということ」という意味で使えますが、実は文脈や文体によって使える場面が大きく変わります。
この記事では、初心者が覚えておくべき基本ルールから「that」と「which」を上手に使い分けるコツ、よくあるミスまで徹底解説します。
最後には実践的な練習問題も紹介しますので、ぜひ挑戦してみてください。
1. それぞれの本質:関係代名詞とは
関係代名詞は、前にある名詞(先行詞)を修飾し、同じ文の中で説明や追加情報を与える役割を担います。
「that」「which」の両方は 先行詞 を代用し、先行詞と結びついた副詞節(関係節)を作ります。
| 関係代名詞 | 用途 | 先行詞の例 |
|---|---|---|
| that | 限定的(必須情報) | book, car, person |
| which | 限定的&非限定的(追加情報) | book, car, thing |
| who | 人(限定的・非限定的) | John, the teacher |
| whom | 人(主語ではなく目的語) | Mary, the lawyer |
ポイント
- 限定的情報(Restrictive):先行詞は文の意味を決定する必須情報。
- 非限定的情報(Non‑restrictive):前の名詞を補足・拡張する情報。文の全体的な意味は変わらない。
2. 「that」の使い方:限定的情報を与える
2-1. 限定的な関係節で必ず使われる
「that」は限定的な関係節(必要不可欠な情報)につくのが一般的です。
つまり、文から削除すると意味が変わってしまう情報を示します。
The book that I bought yesterday is amazing.
(昨日買ったその本が素晴らしいです。)
- that I bought yesterday という情報が無ければ、どの本か不明です。
2-2. 「人」にも使える(非限定的は不可)
「that」は人を修飾する際にも使えます。
ただし、非限定的関係節(付帯情報)には使えません。
The man that helped me is a teacher. // 限定的
The man, that helped me, is a teacher. // NG
例外
「that」は正式な書き言葉だけでなく口語でもよく使われます。
2-3. 「or」で選択語をつなぐときも“that”
複数の候補から選ぶときは「or」でつなぐ語は that です。
You need to decide which book, that we listed, you want.
(リストした本のどれかを選んでください。)
2-4. 句読点は不要
限定的関係節には句読点(コンマ)を入れません。
「that」は文をきちんと結びつける役割を持つためです。
The house that is on the corner belongs to my aunt. // コンマなし
3. 「which」の使い方:限定的&非限定的両方
3-1. 限定的情報でも可(ただし慎重に)
「which」は限定的情報でも使えますが、「that」 ほど主流ではありません。
多くのスタイルガイドは限定的関係節で「which」を避けることを推奨しています。
例
A book which has a blue cover is mine.
→ より自然な A book that has a blue cover is mine.
ただし、「which」 は特に非限定的関係節で必須です。
3-2. 非限定的情報(追加情報)で必須
主に文章に付け加える説明的な情報を表すときは 「which」 を使用します。
非限定的関係節はコンマで区切ります。
The book, which has a blue cover, is mine.
(青い表紙の本が私のです。) // 付加情報
3-3. 人以外の先行詞に使う(人は使わない)
「which」は人を修飾しません。
人を修飾したい場合は who / whom へ書き換えます。
The person which helped me was a teacher. // NG
The person who helped me was a teacher. // OK
3-4. 「or」や接続詞を使うときは「or which」も可
「or」や接続詞によって複数オプションを示すときに 「which」 を使うケースがあります。
限定的・非限定的いずれも可能です。
She didn't know whether the book, which was on the table, she had read.
4. 「that」と「which」を混同してしまう典型的なミス
| 典型ミス | 正しい書き方 | 理由 |
|---|---|---|
| 先行詞が人で「which」を使う | The man who helped me. | 「which」は人を修飾しないため。 |
| 非限定的情報に「that」を使う | The city, which is known for art, is near. | 「that」は非限定的関係節では使えない。 |
| 限定的情報に「which」を多用 | The book which I bought was expensive. | スタイルガイドは「that」を推奨。 |
| 句読点を忘れる | The book, which I bought, was new. | 非限定的関係節には必ずコンマを。 |
チェックリスト
- 先行詞は何か?(人、物、事象)
- 先行詞の情報は必須か?(限定的)
- 先行詞後に句読点は必要か?(非限定的なら必須)
- 人かどうか?(人なら who/whom)
5. よくある質問(FAQ)
| 質問 | 答え |
|---|---|
| Q1. 「that」でも「which」でも意味は変わらないの? | 例文によっては似た意味になるが、文法的な位置とスタイルに大きく影響する。 |
| Q2. ビジネスメールで「that」と「which」をどう選べばいい? | ビジネスではより硬い印象を与える that が多い。非限定的情報が必要なら which。 |
| Q3. 「which」だけを使っても通じる? | 口語・短文では通じるが、書き言葉で正式な文章では読者を混乱させる可能性が高い。 |
| Q4. 関係語が where when why に差し替えても構わない? | 先行詞が場所・時・理由である場合は where, when, why を使う。ただし that/which との混同は避ける。 |
6. 練習問題:正しい関係代名詞を選んでみよう
以下の文を読んで、that か which のどちらが適切かを選び、文章を書き直してください。
- The laptop, _______ I bought, is already broken.
- She found the picture _______ was painted by her grandfather.
- The restaurant where we ate, _______ serves sushi, is famous.
- I read the film script _______ describes a dystopian future.
- The teacher, _______ taught me last year, is passing away.
答え例
- which
- that
- that
- that
- who
ポイント
- 1: 付加情報 → which
- 2: 限定的情報 → that
- 3: 限定的情報(場所)→ that
- 4: 限定的情報 → that
- 5: 人を修飾 → who
7. まとめ:覚えておくべきキーワード
- 「that」 → 限定的情報(必須)で使う。人に対しても可。
- 「which」 → 限定的・非限定的両方で使えるが、非限定的で必須。人には使わない。
- 非限定的関係節は必ずコンマで区切る。
- 人を修飾するときは who / whom を使用。
- 書き言葉で正式な文は「that」を多用し、追加情報には「which」を選ぶ。
この記事で「that」と「which」の違いが明確になったはずです。
実際に文章を書いてみて、先行詞の位置・情報の必須性をチェックしながら使い分けてみてください。
慣れてくると自然と意識できるようになるはずです。
よい執筆ライフを!

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